厚生労働省の「令和2年雇用動向調査」の結果によると、仕事を辞める具体的な理由のランキングは以下の通りです。
以下のランキングは主に男性を対象としていますが、各理由の男女の割合にはかなりの差があります。
男女の価値観の違いを考えてみるのも面白いと思います。
1位 労働時間などの労働条件が悪い
男性:10.4% 女性:15.2%
2位 収入が少ない
男性:10.1% 女性:8.3%
3位 会社の将来性が不安
男性:8.6% 女性:3.5%
4位 会社の都合
性:7.9% 女性:7.3%
5位 職場の人間関係
男性:7.8% 女性:11%
これに加えて
仕事に興味が持てない
男性6%、女性5.6%
能力・個性・資格を生かせない
男性4.6%、女性5.1%
が目立ちました。
リクナビNEXTの「上司・経営者の仕事ぶりが気に入らなかった」といった抽象的な回答よりも現実的だと思います。
退職理由のトップ5に「会社の将来への不安」と「会社都合」が入っていることに驚きました。
つまり、「会社はいつ倒産してもおかしくない」と思われているのです。
さらに、「会社都合」となると、仕事を辞めたいからといった理由ではないから、おどろきですね。
仕事を辞めたホンネの理由トップ10
他にも参考例を見ていきましょう。
以下の結果は、リクナビNEXTが調査した「ホンネの辞めたい理由トップ10」となります。
第1位 上司・経営者の仕事ぶりが気に入らなかった 23%
第2位 労働時間・環境に不満があった 14%
第3位 同僚、先輩、後輩とうまくいかなかった 13%
第4位 給料が安い 12%
第5位 仕事が面白くなかった 9%
第6位 社長が独裁者だった 7%
第7位 会社の文化が自分に合わなかった 6%
第8位 会社の経営方針や経営状況が変わった 6%
第9位 自分のキャリアを向上させたかった 6%
第10位 昇進・評価に不満があった 4%
これらの要因に共通しているのは、「待遇の割には仕事がきつい」ということですね。
個人的には、会社を辞める理由で一番多いのは「ブラック企業」だと思っています。
しかし、個人的に言えば、「ブラック企業に入ってみたらブラック企業だった」というのが、会社を辞めたい理由のリストに入っていないのは理解しがたいです。
なかなか出てこない本当の会社辞めたい理由
一方で、上記の理由が「もっともらしい」にせよ「甘い」にせよ、ほとんど観念的なものであることに違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
上司・管理職の仕事のやり方が気に入らない場合、それは単に仕事の手順や方法が自分の考えているものと違うからだと思いますか?
など、誰もが思いつきそうな退職理由が挙げられます。
回答者の真意が見えてこない。
リクナビNEXTは、その立場上、もっと過激な回答を用意できなかったのかもしれません。
「辞職理由の本音ランキング」といっても、核心に迫ることはできません。
そこで、もしあなたが会社を辞めたいと思ったら、外部の調査で理由がどうなっているかは関係ないと考えることが大切です。
最終的には、各個人が会社での自分の立場を測り自分の仕事とは何か、会社を辞めるべきかどうかを自分で判断する。
ということなんですよね。
会社に頼るのではなく、自分で守る
この結果から、「仕事を辞めたい」と思わせる会社は、仕事を辞めたいと思うなら、劣悪な労働条件や低賃金で、いつ潰れるかわからないような会社で働かなければなりません。
いつ会社がつぶれて、自分がクビになるかわからない。
それがあなたの描く絵です。
まあ、ほとんどの会社がそうなんですけどね。
仕事を辞めたいと思うのも無理はありません。
私の場合、かつて上記の内容にぴったり当てはまるブラック企業に勤めていました。
このような状況は、誰もが他人事ではありません。
友人はある日、突然、仕事をクビにされました。
理由は「お前が嫌いだから」というだけでした。
部署の中で一番いい仕事をしていたのに、おかしいですよね。
繰り返しになりますが、ほとんどの会社がそうなのです。
これに対抗するにはどうしたらいいでしょうか?
自分の知恵を使って、会社に頼らずに自分で稼ぐ方法を身につけることです。
自分で自分の居場所を作るしかありません。
ところで、友人をクビにしたブラック企業は、今、息をひそめてかろうじて営業しています。