ハラスメントの被害に遭った場合、どうやって仕返しをすればいいのか悩んでしまいますよね。
ここでは、嫌がらせをする上司に合法的に仕返しをする方法を教えます。
目次
まずは訴える前に準備をしましょう
パワーハラスメントの事実を記録する
パワハラを受けた日時や場所、相手の言動、誰が見ていたかなど、状況をできるだけ詳しく記録しましょう。
後日、専門の部署や公的機関に相談したいときにも役立ちます。
感情的なコメントではなく、客観的な事実として残しておきましょう。
家族や友人に相談する
精神的に追い詰められていると、正しい判断や行動ができなくなることがあります。
パワハラを受けたら、まずは家族や友人など、信頼できる人に相談しましょう。
社内の相談窓口に相談する
当事者同士で解決できない場合は、社内の相談窓口に相談してみましょう。
2020年6月1日(中小企業は2022年4月1日から)に「パワーハラスメント防止法」(※)が施行され、企業にはパワーハラスメントに関する相談窓口の設置が義務付けられました。
相談する場所を段階的に変えていきましょう
パワーハラスメントを受けたが、どこに相談していいかわからない場合は、まず以下の団体に順に相談することをおすすめします。
NPO法人 労働相談センター
1988年に設立された、労働者の労働問題に関する相談を受け付けるNPO法人です。
2021年に同NPOに寄せられた労働相談は8,597件。
センターには、相談に応じる専門スタッフのほか、弁護士、医師、社会保険労務士、行政書士、産業カウンセラーなどが多数連携しています。
頼りになる存在です。
厚労省総合労働相談コーナー
厚生労働省では、労働問題に関するあらゆる分野のワンストップ相談窓口を設置しています。
紛争調整委員会は、あっせん申請書を提出することで、あっせん案(調停案)を示してくれます。
しかし、裁判所の決定とは異なり、会社は調停案を受け入れる義務はありません。
その場合には、次のステップに進む必要があります。
解決サポート(裁判外紛争解決)
ADR(Alternative Dispute Resolution)とは、裁判によらず、公正・中立な第三者が二者間の紛争に入り、話し合いによる解決を図る手続きです。
解決サポートは、法務大臣の認証を受けた民間事業者が行うADRです。
労働問題については、全国社会保険労務士会連合会の労働紛争解決センターが担当します。
“上司のハラスメントを訴えたくない”、”法律を盾にして仕返しをしたくない “という方にお勧めの場所です。
日本司法支援センター(法テラス)
あらゆる法律問題の相談に応じる、政府が設立した組織。
無料の法律相談や、弁護士・司法書士の分割払い制度などがあります。
パワハラに対してすぐに法的措置をとりたい場合は、こちらに相談してみてはいかがでしょうか。
また、警察への通報、労働問題を専門とする弁護士への訴訟提起、日本弁護士連合会の人権擁護委員会への告発なども可能です。
時間との労力から得られるメリットのバランスを考えよう
しかし、いずれの方法をとるにしても、時間と労力をかけなければなりません。
それならば、嫌がらせをしてくる会社に固執することは考えない方がいいでしょう。
会社に頼らず、自分で稼ぐ術を身につけましょう。
そのためには、さっさと辞表を叩きつけるのも一つの方法です。
争う価値のないパワハラ野郎を訴えるよりも、建設的な選択かもしれません。
パワハラ上司を懲戒処分にするには、証拠が不可欠です
パワハラ上司は会社で対処する必要があります。
排除するために必要なことを探ってみました。
本当にパワハラ被害に遭っているかどうか、会社側の最終的な判断基準は「証拠」の有無です。
過去には、日常的にパワハラが行われていたにもかかわらず、証拠がなかったというケースもありました。
過去には、加害者が嘘をついて組織内の調査を逃れたケースもありました。
つまり、ハラスメント上司を処分してもらうためには、ハラスメントを受けているという具体的な証拠が必要なのです。
どのような証拠が必要なのかは、パワハラの種類によって異なります。
以下は証拠を集めるべき具体的な理由です
パワハラの隠蔽を防ぐことができます
パワハラは個人で行われているとは限りません。
パワハラ体質の強い会社では、会社全体でパワハラが横行しており、場合によっては会社全体でパワハラを隠蔽することもあります。
しかし、パワハラの証拠があれば、会社全体がどれだけ隠ぺいしても、パワハラがあったという事実を証明することができます。
パワハラ加害者との交渉を有利に進めることができます
証拠は、会社を介さずにパワハラ加害者と直接交渉する際の強力なツールとなります。
ハラスメントの証拠を持ってハラスメント加害者と直接対峙し、「あなたの周りで訴訟を起こします」と言えば、ハラスメント加害者がハラスメントをやめるきっかけになります。
訴訟で裁判官を説得するのは簡単です
個別の話し合いで解決できず、訴訟問題に発展した場合、「言った、言わない」や「やった、やらない」といった主観的な記憶では不十分です。
訴訟では、証拠が重要になります。
では、実際に証拠を残す際にはどうするべきか?
以下の3種類の証拠のうち、1つまたはすべてを用意する必要があります。
パワハラの現場の記録
暴言、脅迫、嫌味などの嫌がらせがあった場合、ICレコーダーを使って嫌がらせの様子を隠して録音します。
録音していることを嫌がらせをしている上司が知ったら、その上司の態度が変わるかもしれません。
嫌がらせをしている人が録音していることを知った場合、その瞬間だけ態度を変える可能性があります。
レコーダーは常に録音した状態で服のポケットに入れておきましょう。
秘密裏に進めることが大切です。
ハラスメントの様子を日記に残す
「ポケットに物を入れてはいけない」「ポケットのない制服で仕事をしている」など、ICレコーダーを隠す場所がない場合は、パワハラの事実を日記に記録しましょう。
これは、裁判になったときの重要な証拠になります。
時間や状況など、できるだけ詳細に書いてください。
病院で診断書を発行してもらう
パワハラによる暴力で、少しでも怪我をした場合は迷わず外科医の診断書を発行してもらいましょう。
いざというときに、警察に暴行の被害届を出すときの証拠になります。
パワハラによる心理的苦痛で心理的障害が発生している場合は、神経内科や精神科を受診して診断書を発行してもらいましょう。
これは、パワハラ以外に精神疾患の原因がないことを示す逆説的な証拠となります。
処分の基準は会社の裁量で決まる
パワハラを受けたことを会社に訴え、証拠を提出したとしても事実を認めるかはわかりません。
理由は、パワハラ自体が新しい概念であり、パワハラ自体を規制する法律や具体的な基準がまだないからです。
いくら証拠があっても、ハラスメントをした上司が「あれは教育的指導だ」と言ってしまえば結局、何をしてもパワハラを止めることはできません。
では、どうすればいいのか。
ハラスメント上司のいる会社から一刻も早く解放されたいのであれば、今から退職の準備をしましょう。
自分でお金を稼ぎ、給料とは別に毎月お金を稼ぐ能力があれば、パワハラ上司がひるんだときに怒鳴りつけて辞表を提出することができるでしょう。