どの業界にもブラック企業は存在する。
しかし、特にブラック企業の割合が高い業界もあります。
以下のレポートをご覧になれば、きっと「なるほど」と思うはずです。
また、ブラック企業かどうかを判断する基準として、「3年後の離職率」がよく使われます。
一般的には、この値が30%を超えるとその企業がブラックである可能性が高いといえます。
目次
ハローワークの求人票には「3年後の離職率」が記載されている
厚生労働省では、ブラック企業対策として「3年離職率」を導入しています。
しかし、3年後に会社を辞めた社員のうち、何%がブラック企業とみなされるのかという指針はありません。
「ブラック企業かどうかは自分たちで判断してください」と言われています。
その他、東洋経済ONLINEの「『3年離職率』を徹底解剖!」と書かれていることが、基準になっているようです。
しかし、その根拠は、一般的には中卒者の7割、高卒者の5割、大卒者の3割が就職してから3年以内に離職するというものです。
しかし、日本経済広報センターの調査によると、離職者の8割がこの「七五三現象」に当てはまるという結果に基づいているようです。
「3年後の離職率30%=ブラック企業」というのは、ちょっと強引ですよね。
実際、会社が発行している「就職四季報」では、3年後の離職率のワースト10は、平均40%以上の会社となっています。
また、入社3年後の離職率が、2010年入社の人は100%なのに、2009年入社の人は0%という例もあります。
単年度の入社3年後の離職率だけで、ブラック企業かどうかを判断するのは難しいのです。
とはいえ、参考までに、2020年に厚生労働省が行った調査結果をご紹介します。
3年後の離職率が高い業種は以下の通りです。
宿泊・飲食サービス業 51.0%
教育・学習支援業 48.9%
生活関連サービス・娯楽業 45.4%
不動産・物品賃貸業 39.6%
小売業 37.7%
医療・福祉業 37.7%
飲食業、サービス業、販売業などの業種が目立つのは当然のことです。
離職率は数字ではなく、感覚的なものだと思います
では、ブラック企業の本当の離職率とは?
結局、「1日に1人の社員が消える」とか「数ヶ月後には全員が入れ替わっている」というような感覚のほうがしっくりきますようね。
離職率が高かろうが低かろうが、ブラック企業はブラック企業であることに変わりはないです。
一刻も早く、ブラック企業から抜け出す決断をすることが必要です。
結局、ブラック企業を辞めるには、会社に頼らず自分の収入源を見つけることが一番の近道です。
それがブラック企業を辞める一番の方法なのです。
ブラック業界ワースト3とは?
ちょっと古い記事になりますが、2020年11月2日付のニュース記事によると、新卒3年目までに辞めてしまう人が最も多い業界は
教育・学習支援業 48.8%
宿泊・飲食サービス 48.5%
生活関連・娯楽 45.0%
これらは、いわゆるブラック企業のワースト3です。
近年では、これらの企業に加えて
IT業界
介護業界
小売業界
が、ブラック企業率の高い産業として上昇してきています。
労働集約型の仕事がIT業界にもたらす不幸
IT業界は労働集約型の産業です。
IT業界は、SEなどの低報酬や、深夜残業の多い過酷なブラック労働が発生しやすいのです。
これは、素人の参入が増えたことと、下請け構造による受注単価の極端な低下によるものです。
介護業界の給料は、全産業平均より11万円も低い
介護業界がブラック企業率が高いと言われている理由は、激務の割に給料が低いからです。
政府が介護職員の給与を低い「公定価格」に設定しているために起こる悲劇です。
小売業界では、アパレルのブラック企業が多い
販売ノルマが厳しく、それを達成するために社員が自ら商品を購入しなければならないケースも少なくありません。
入社1年目の女性社員が極度の過労とストレスにより死亡したことで、ブラック企業大賞にノミネートされた企業もあります。
新卒で入社した学生がブラック企業を見抜く
そんな “ブラック企業率の高い業界 “を新卒学生は見抜いているようです。
2020年のとある木企業の就活モニター調査によると就活生が就職したい業界トップ10は以下の通りです。
1位:銀行
2位:マスメディア
3位:総合商社
4位:水産物・食品
5位:政府・団体
6位:運輸・倉庫業
7位:専門商社
8位:建設・住宅・不動産
9位:保険
10位:保険 リサーチ・コンサルティング
保険や不動産など、営業職のブラック企業率が高いと疑われている業界があります。
しかし、全体的には「ブラック企業」の割合が高い業界はありません。
これは、就活生がエントリーの段階からすでにブラック企業に就職しないように細心の注意を払っていることの表れです。
しかし、すでにブラック企業に就職してしまった場合、どうすれば事態を好転させることができるのでしょうか。
最も現実的な方法は「転職」となるのでしょう。